2010年5月8日土曜日

基地問題と左右のねじれを考えてみる。

いやあ今日もバンコク暑いです。私の住んでる所は雲がでてきたのでスコールでも降って少しでも涼しくしてほしいもんです。

普天間問題で面白い構図ができてますね。暑いので朦朧とする頭で少しこの状況を考えてみたいと思います。

ことの発端は皆さんご存じの通り、わがルーピー総理が昨年の総選挙に際し普天間基地の

「最低でも県外移設」

を訴えて沖縄選挙区では見事民主党は全勝しました。しかし、この発言は選挙に際し沖縄でウケそうな発言をしただけというところで(漠然とそうしたいくらいは思っていたのでしょう)いざ、政権を取ってみるとアメリカもOKしないし、徳之島のように候補に挙げられた地域は反対の大コールです。

ルーピーのルーピーたるゆえんは総選挙時は強力なフォローの風が吹いてたのですから基地に関しては何も言わなくても勝てたのではないでしょうか?そもそも支持基盤のリベラル派(旧社会党系)はほっといても民主に投票したでしょう。無党派層は「反自民」の雰囲気に完全に乗ってましたしね。

普天間の海上移設案は、基地周辺の危険の除去という目的があり、そのために長年かけて形成された合意です。それをルーピーさんの「思いつき」で沖縄の基地反対層を刺激しました。時系列で見てみましょう。

①総選挙時
・沖縄の基地反対派・辺野古移転反対から熱い支持をゲット。

②昨年秋
・トラスト・ミーを裏切ってオバマ大統領から不信感をゲット。

③今年4月
・徳之島案がマスコミに流れ、徳之島の基地反対派から不興をゲット。

④5月
・「やっぱり、完全な県外移設はムリ、一部は徳之島に移したい」と表明したことで沖縄の基地反対派の熱い支持が裏切られた感に変化。徳之島からはまたしても不興をゲット。

てなとこでしょう。これに加えて、そもそもの沖縄の辺野古移転賛成派からも不興をゲットし続けている。

左翼の「アメリカは出ていけ!」と熱く叫ぶ方々からも、一部移転案を出したことで嫌われ、保守の「日米同盟重視」と考える方々からも日米関係を無駄に刺激し悪化させたとして不興を買う。

ある意味見事。こんだけ嫌われるというのもあり得ない。好感を抱いている人がいるとしては徳之島の移転賛成派と辺野古移転派の一部のヒトくらいのもんでしょう。八方美人を狙ってほぼ八方から嫌われる。うーん、やっぱルーピーただモンではありません。しかし左翼は自分たちの代弁者である民主党をそんなに叩いていいんですかねえ。

反鳩山というか嫌鳩山というかでは、こと基地について言えば両方から嫌われるという誠に珍しい状況です。まあ熱い民主党支持者はアホが何しても支持するんでしょうがそのへんがより気持ち悪さを増幅してくれます。

さて「基地問題」ですが、たしかにレイプや交通事故などの基地がなければ起こらなかった事件・事故というは存在します。皆さんももちろんお気づきだと思いますが、基地があるから発生する雇用や補助金などを含めた経済も存在します。

基本的に日本人は軍隊コンプレックスというか基地コンプレックスがありますから、基地がないことが最高と考えているヒトもいますが、ルーピーが勉強して気付いたように安全保障問題は東アジア地域では重要です。

「9条があったから平和だった」と心から信じてるヒトは救いようがないですからほっといていいですが、多かれ少なかれこのような幻想を抱いているヒトは多いでしょう。まあ、根底には大東亜戦争の敗戦なんかもあるのでしょうが。

そんなヒトは「アメリカは出ていけ!」と叫びます。叫ばないにしても、漠然とした嫌悪感を持ってます。

面白いのは、現状のアメリカによる軍事的プレゼンスの庇護を受けることにより、政治的に抑圧されていると考えているヒトもそのように叫ぶ可能性は秘めてます。

つまり、もし米軍が出て行ったらどうするかというオプションが異なる層がいるのですが、オプションの前提となる「米軍出ていけ」には助け合えるということです。

オプションとしては

①日本の軍備を増強して自衛。
②9条とともに死ぬ。軍備なし。
③落ち目のアメリカを捨てて、あらたなご主人中国様に面倒を見てもらう。

なんてとこでしょう。私の考えとしては①なら納得できますが、②③はおかしい。②は言うまでもなく周りが軍備を増強してるのにどう国民を守るのか?やってみればあっという間に証明されるでしょう。③は結構これ考えてヒトいるんじゃないかなあと思います。経済と安全保障をごっちゃにしてるんでしょうね。なんで、一党独裁の非民主国家と安全保障で手を結べるのか?天安門事件で自国民に戦車を投入する連中ですぜ。

正直にいって自衛隊は軍隊ですし、他の国と同じようにすればいいというのが私の考えです。それを軽武装商業重視で、武装をアメリカに依存することで経済発展を容易にしたもんですから自衛隊は今のままで十分と考え、アメリカが出ていっても現状を維持できると思うヒトが多いのではないでしょうか。

アメリカに依存しすぎるのも考えものですが、基地問題に関してはただ出てけと叫ぶだけではなくじゃあどうするのかという対案をもって議論すべきでしょう。基地がどこに行くというだけの話ではなくて。好き嫌いに関わらず、今の東アジアの情勢で基地を減らすなんてナンセンスです。私はむしろ少ないと思いますが。

まあ①が難しい理由としては、アメリカも中国もそれを望んでないってとこでしょうね。なんでアメリカの力が落ちて、パワーバランスが不安定な今こそチャンス到来と思うのでしすが。そうなると中国派が力を出すんですかねえ。依存体質ってこわいですねえ。

当面は現状維持でしょうが、その先も考えておく必要があるのではないでしょうか?

みなさんはどうお考えになりますか?

【タイ情勢】シーロムで銃撃。警官2名死亡。

(The Nation)
Two policemen killed and many others injured in double attacks
(簡約) 
7日午後10:45、ソイサラデーンのクルンタイ銀行前で警備にあたる警官がバイクからの銃撃を受け1名死亡。バイクはラマ4世通りに逃走。8日午前1:30、少なくとも3発のM79がルンピニゲート4付近の警察のチェックポイントに撃ち込まれ警官1名が死亡。
アビシット首相の解散を含めた和解への提案以降、騒動の終結に向けて少しずつ方向性が出来てきたように思いますが、どうやらこの状況を良く思わないグループもいるということでしょう。赤シャツ側にかその他の側かは分かりませんが。

Panitan氏(政府報道官)はTV放送で、赤シャツは和解プロセスを妨げられないために早急にプロセスを実行すべきだ。とのこと。

ナタウット氏(赤シャツ)はこの事件を非難するとともに亡くなった警官2名にお悔やみを述べてます。

赤シャツは今日ナコンシータマチャート(コーンケン)から3日滞在の予定で赤シャツを増員しているようです。この時期に増員する理由はなんなんでしょうねえ。現時点ですでにラチャパソンに到着しているようです。

一応公式には首相が解散時期を発表して以来、赤シャツ側の回答待ち状態なんですが色々と交渉してるんでしょう。

昨夜のテロがどのような関わりを持ってるのかは非常に気になります。動機をしては和解プロセスに異を唱える者の仕業ということになるのでしょうが。。。

それでは。